Githubに公開されているKiCadのフットプリントを使用する方法

目次

フットプリントライブラリに Github レポジトリ URL を指定することで、公開フットプリントライブラリを KiCad から直接使用できる。

KiCad 4.0 のフットプリントはパッケージに含めて配布するのでなく、Github で公開されているライブラリをアクセスするようになりました。その結果パッケージのアップデートに関係なく常に最新のライブラリを使用できます(注 1)。

また Github を直接アクセスできるようになったので、公開されている自作ライブラリーもダウンロードすること無く直接使用できるようになりました。これでライブラリーを管理する手間が大幅に削減できます。

ここでは Github で公開されている自作フットプリントライブラリを KiCad で使用する方法を説明します。

公開フットプリントライブラリの URL を設定

公開フットプリントライブラリを使用するには、その場所を KiCad に教える必要があります。そのための設定方法は次のようになります。

  1. フットプリントエディタを起動する。
  2. 設定メニューの「フットプリントライブラリの管理」を選択して「PCB ライブラリ一覧」ダイアログを開く。
  3. 使用したい公開フットプリントライブラリをこのプロジェクトだけで使いたいのか、他のプロジェクトでも使用したいかに応じて「プロジェクト固有のライブラリ」と「グローバルライブラリ」のタブを選択する。
  4. 「ライブラリの追加」ボタンをクリックする(注 2)。
  5. 追加された欄に次の表のように指定する。
  6. 「OK」ボタンをクリックして「PCB ライブラリ一覧」ダイアログを閉じる。
別名(ニックネーム) ライブラリのパス プラグインの種類 オプション 説明
識別できる好きな名前。ここの設定内容は、ライブラリーを選択するときに使用されます(注 3)。 公開フットプリントライブラリのレポジトリの URL(注 4)。環境変数を参照することも可能です。 Github 空欄または別名と同様に簡単な説明。

github-lib-setup

フットプリントエディタで設定方法を説明しましたが、基板エディタ(Pcbnew)やコンポーネントとフットプリントを結びつける Cvpcb からもこれと同様に設定できます。

公開フットプリントライブラリを使用できるか確認

設定した公開フットプリントライブラリを認識できているかフットプリントビューアで確認してみます。

  1. 基板エディタ(Pcbnew)やフットプリントエディタのアイコンメニューから IC に虫眼鏡の「フットプリントビューアを開く」をクリックする。 footprint-viewer-icon
  2. 一番左のカラムから追加した公開フットプリントライブラリを選択する。
  3. 右隣のカラムに登録されているフットプリントの一覧が表示されたら OK です。この時に Github にアクセスするので表示されるまで多少時間がかかることがあります。
  4. 登録されているフットプリントを選ぶと、その内容が表示されます。

footprint-viewer

Github のフットプリントライブラリを修正可能に

KiCad は Github レポジトリを操作できないので、Github にあるフットプリントライブラリは読み込み専用となります。

しかし修正したフットプリントをローカルに保存するオプションを有効にすると、Github のフットプリントを修正できるようになります。この時修正されたフットプリントはオプションで指定した手元のフォルダ(ディレクトリ)に保存され、Github の内容より優先的に使用されます。

オプションで指定するフォルダは空でも問題ありませんが、Github のレポジトリからクローンしてきたフォルダを指定すると、変更内容を簡単に Github に反映できます。

たとえ自分がレポジトリに書き込み権限があっても同じです。その変わり変更内容をローカルに保存して Github の内容より優先して使用させることができます。

Github のフットプリントライブラリを修正可能にするには、オプションを次のように指定します。

  1. 上の「公開フットプリントライブラリを URL を設定」と同じく「PCB ライブラリ一覧」ダイアログを開く。
  2. 「発見されたライブラリの一覧」から修正可能にしたいライブラリを選択する。
  3. 「オプション」ボタンをクリックする。
  4. 「追加するオプションの選択」から「allow_pretty_writing_to_this_dir」を選択して「選択したオプションの追加」ボタンをクリックする。
  5. プラグイン設定で「allow_pretty_writing_to_this_dir」の定数に修正したフットプリントを保存するフォルダ(ディレクトリ)を入力する。このフォルダの名前は、KiCad のルールに従い*.pretty にする必要があります。
  6. 「OK」をクリックして設定したオプションを保存する。

github-lib-option

参照

  1. デメリットとしては、Github にアクセスするのでネット接続が必須になったことと、フットプリント一覧の取得に少し時間がかかることです。このデメリットを回避するためにフットプリントライブラリをダウンロードして使用することも可能です。
  2. 「ウイザードを使用して追加」でも良さそうですが、ユーザが公開しているレポジトリには使用できないようです。
  3. 表示される名前の順番はここでの位置ではなく、名前を ASCII コード順に並べたものになります。すなわち数字で始まるもの、アルファベットの大文字で始まるもの、小文字で始まるものという順番です。
  4. レポジトリの直下ではなくサブディレクトリにフットプリントが置かれていることがありますが、その場合もライブラリのパスにはレポジトリの URL を設定します。