UbuntuにKiCad 4.0をインストール

目次

KiCad 4.0 は Ubuntu の標準パッケージには含まれていないので PPA からインストールする。

KiCad は、Ubuntu 14.04 と 15.04 の標準パッケージに登録されています。ただしこのパッケージの KiCad は、まもなく公開される予定の版に比べてかなり古い版です。そのためまもなく公開されるという KiCad 4.0 で使用できる便利な機能がいろいろ使えません(注 1)。

これから KiCad を Ubuntu で使用するのであれば、KiCad 4.0 を PPA からインストールすることをオススメします。また今月末に公開予定の Ubuntu 15.10 では、KiCad が標準パッケージに含まれなくなったかもしれません(注 2)。これが間違いでないとすると、Ubuntu 15.10(wily)で KiCad を使うには PPA からインストールするしか選択肢はありません。

まだリリース前で動作が不安定かもと思われがちですが、約一年開発版を使い続けてきた感じでは確かにちょっと不安定になったことも有りますが要所要所で保存操作を忘れなければ得られるメリットのほうが大きかったです。

KiCad 4.0 のインストール

KiCad 4.0 のインストールには、ソースからビルドする方法と PPA からパッケージをインストールする方法の二通りが有ります。ここでは最初に PPA を使ったインストール方法を説明します。普通はこの方法で十分ですが、オプション設定を変えたい場合に必要なソースからビルドする方法も説明します。

KiCad 4.0 を PPA からインストール

KiCad の PPA パッケージには、PPA for KiCad daily buildsを使用します。

インストールする方法は次のとおりです。

# 4.0のリリース版をインストールするとき。
sudo add-apt-repository ppa:js-reynaud/kicad-4

or

# 開発版(daily build)をインストールするとき。  sudo add-apt-repository ppa:js-reynaud/ppa-kicad

# 以下は4.0でも開発版でも共通
sudo apt-get update
# メニュー等を日本度で表示するためには、kicadだけでなくkicad-locale-jaも必要。  sudo apt-get install kicad kicad-locale-ja

必要な環境変数も自動で設定されるはずですが、一応確認しておきます。

$ env | grep KIGITHUB
KIGITHUB=https://github.com/KiCad

KiCad 4.0 をソースからインストール

KiCad 4.0 をソースからインストールすることも簡単ですが、ソースファイルのダウンロードとコンパイルに非常に時間がかかります。そのことを覚悟してとりかかる必要が有ります。

ソースからインストールすると言ってもインストール用のスクリプトが用意されているので、それを実行するだけです。

  1. インストールスクリプトをダウンロードする。
  2. (オプション)インストールスクリプトのオプション設定を変更する。
  3. インストールスクリプトを実行する(注 3)。このスクリプトを実行するだけで、ソースファイルのダウンロードからコンパイルとインストールまで自動的に実行されます。
$ sh kicad-install.sh --install-or-update

途中必要なパッケージや KiCad の各プログラムをインストールするために管理者権限が必要になるので、sudo によるパスワードの入力が求められます。

参照

  1. KiCad 4.0 で加わった便利な機能を使うには OpenGL が必須ですが、cairo 表示を使うことで少しもっさりとはしますが同じ機能を使用することができます。
  2. Ubuntu パッケージの検索検索結果に Ubuntu 15.10(wily)向けの kicad パッケージが見つかりません。kicad を名前に含むパッケージ
  3. バージョン管理システムからソースを持ってくるので、ソースを全く持っていない最初は特にソースのダウンロードに時間がかかります。